こんにちは。瑞穂市のホワイトエッセンス吉田歯科医院です。
現在、矯正治療に興味がある。または、ご検討されている。という方や、矯正治療をご経験されたことがある方の中で、「矯正治療は、装置が外れたら終わり。」と、お考えの方はいらっしゃいませんか?
数か月から数年といった期間、頑張って矯正治療を受けていただいた後、やっと装置が外れ、矯正治療を終える時というのは、何よりもうれしい瞬間だと思います。
ですが、実は、矯正治療は、「装置が外れたら終わり。」ではありません。
治療が終わったからと、そのまま何もしないと、歯が、以前の歯ならびに戻そうとする「後戻り(あともどり)」が起きてしまうんです!
「後戻り」を防ぎ、かみ合わせや歯ならびを美しく保つには、「保定(リテーション)」を行う必要があります。
そこで今回は、矯正治療の終了後に気をつける、「後戻り」について、ご説明させていただきます。
目次
後戻りはなぜ起こるの?
「後戻り」が起こるのには、どんな原因があるのでしょうか?
歯の周囲にある組織の影響
歯の根は、「歯槽骨(しそうこつ)」とよばれる骨の中に埋まっています。歯の根と歯槽骨をつないでいるのは、「歯根膜(しこんまく)」という組織です。
歯根膜は、主にコラーゲンでできていて、ゴムのように弾力があります。矯正治療によって、歯を移動すると、一時的に歯根膜が引き伸ばされます。いずれ新しい歯の位置に合わせて骨がつくられ、歯根膜も新しい歯の位置に適応するのですが、装置を外してしばらくは、引き伸ばされた歯根膜が元に戻ろうとします。そのため、歯が、元の位置に戻ってしまうのです。
矯正治療が終了した直後は、特にこの引き戻しが強いです。歯を支える周囲の組織は、矯正後の新しい歯の位置に完全に適応するまでに時間がかかります。
周囲の筋肉の影響
歯のまわりには、舌や唇、頬の筋肉などがあり、これらにも力を与えています。矯正治療で歯の位置が変わってもそれらをとりまく筋肉は、まだ以前の歯ならびの時と変わらない状態です。新しい歯ならびに筋肉が適応するまで、筋肉が歯ならびに影響を与えることがあります。
成長や加齢による影響
子どもや若い方の場合、あごや顔の骨が成長する過程で、歯ならびが変化することがあります。また、年齢を重ねるにつれて歯が少しずつ動くこともあり、これが後戻りの原因になることがあります。
お口の習癖や生活習慣の影響
普段、気づかないうちに、歯の間から舌が出ていたり、歯に舌を押し付ける、などの舌癖があったり、歯ぎしりや爪をかむ癖、口がポカンと開いていることが多いと、筋肉の圧力によって、歯が望まない方向へ移動してしまい、後戻りしやすくなります。前歯の間に小さな隙間ができたり、前歯が前に出てきたりすることがあります。
矯正のやり方による影響
部分矯正は「動かせない範囲」も多いので、全体のバランスを崩しやすく、難易度が高い矯正治療法のため、単純に、見える部分だけを動かして終了。というような、無理のある治療を受けられている場合には、後戻りが発生しやすくなることがあります。
親知らずの状態による影響
親知らずは、矯正治療前に抜歯をすることも多いですが、子供のころに矯正をした方や、部分矯正をした方などは親知らずが残っているままの状態の方もいらっしゃいます。
親知らずの生え方が、他の歯を圧迫するような場合は、後戻りをしてしまうことがあり、「以前に比べて、前歯の歯ならびが何故か乱れてきたな…。」という方で、親知らずが原因だった。というケースもあります。矯正治療後のきれいな歯ならびをキープするために、親知らずの抜歯を検討する方もいらっしゃいます。
歯周病などのお口の病気が影響
歯周病が進行してしまった歯が、移動してしまったり、抜けてしまうことで、ほかの歯も移動してしまうため、歯ならびに影響を与えてしまいます。
「後戻り」をしてしまうのには、さまざまな原因があるのですね。
では、「後戻り」を防ぐためには、一体どうしたら良いのでしょうか?
後戻りを防ぐには、どうしたら良いの?
保定期間中に装着してもらうのが、「リテーナー」とよばれる装置です。
リテーナーは、矯正後の歯並びを一定の位置にキープするために用いられます。
取り外し式や固定式があり、患者さんの状況や治療方針に合わせて選ばれます。
〈リテーナーの種類〉
1、取り外し式(ワイヤーと樹脂などでつくられています。)
2、取り外し式 (アライナーのような、透明なマウスピース型です。)
3、固定式 (ワイヤーを歯の裏側に接着します。)
〈リテーナーQ&A No,1〉
Q:アライナー矯正(マウスピース矯正)なら、 リテーナーは不要?
A:アライナー矯正の場合も、ワイヤー矯正と同じように、リテーナーの装着が必要です。マウスピース型のリテーナーを使うことが多いです。
保定期間中の注意点
保定期間中にも、後戻りを防ぐために、いくつかの気を付けなければいけないことがあります。
リテーナーを正しく装着しましょう
リテーナーの装着を怠ってしまったり、使い方が間違っていると、後戻りしやすくなります。中には、舌側に固定式の保定をされている方もいらっしゃいます。取り外し式のリテーナーは、正しく装着しないと、 せっかく整えた歯ならびが後戻りしてしまいかねません。矯正治療を受けた先生の指示に従って、 毎日決められた時間装着してください。
定期的な経過観察を受けましょう
保定期間中も、定期的に、歯科医院で経過観察をうけに通院しましょう。リテーナーが壊れていたり、歯ならびに変化がみられる場合は、早めに対処することができます。
毎日のケアを大切にしましょう
リテーナーは汚れやすいので清潔に保ちましょう。
また、むし歯や歯周病にならないよう、 毎日の歯みがきも念入りに行ってください。
固定式のリテーナーの場合は、 歯に段差が増え、汚れが溜まりやすくなるので、 特に注意しましょう。
〈リテーナーQ&A No,2〉
Q:リテーナーは、どのくらいの期間、使い続けるべきですか?
A:一般的には、矯正装置が外れたあと数年間は装着する必要があります。
最初の1年~2年は、特に歯が後戻りしやすい時期ですので、リテーナーをしっかりと装着しましょう。基本的に、リテーナーは、骨が固まり、歯肉線維の緊張が取れるまでの期間は使用が必要ですので、段階的に装着時間を減らしていくとは思いますが、概ね2年程度を目安に、医師の指示に従って、決められた期間はリテーナーを装着することが必要です。
歯ならびを安定させるには、長期的な使用が推奨されますので、中には、半永久的にリテーナーを使用するという選択肢をされる方もいらっしゃいます。
個々の歯の状態により保定期間は違ってきますので、矯正治療を受けた先生の指示に従っていただくと安心です。
いかがでしたか?
せっかくきれいに整った歯ならびが、戻ってしまうのは、悲しいですよね。
矯正治療は、ゴールではなく、長期間かけて手に入れた、よく噛めて美しい歯ならびを、生涯維持していくためのスタートラインでもあります。治療後は、その後の保定期間中の頑張りや過ごし方に気を付けて、矯正治療の成果を最大限に持続していけると良いですね。
当院では、マウスピース矯正をはじめ、ワイヤー矯正治療やお子様の矯正治療の無料相談などについて、随時受け付けております。
また、矯正治療後の保定期間のサポートをはじめ、保定期間が終了しても、生涯にわたって、お客様の歯ならびやお口の環境について、経過を診せていただいておりますのでご安心ください!
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