こんにちは。瑞穂市のホワイトエッセンス吉田歯科医院です。
2月3日は、節分でしたね。皆さん、節分はどの様に過ごされましたか?
我が家には、毎年主人に非常によく似た鬼がやって来て、子供達と賑やかな時を過ごしています。
私は、そろそろ歳の数ほどの豆を食べることが大変になってきました。
突然ですが、お口の中にも鬼の角の様な歯が生えてくる事があるのですが、ご存知ですか?それは、中心結節(ちゅうしんけっせつ)と言います。
やや強引ではありますが(笑)、今回は、中心結節についてのお話です。
<中心結節とは?>
真ん中から4、5番目の小臼歯に多く見られる、歯の形態異常の1つで、永久歯のかむ面に、尖った角の様な突起が生じたものです。
1~4%の確率で出現すると言われています。
歯科医院で、以前指摘された事がある方以外は、名前を聞いた事も無いかと思いますし、実際にお口にあっても、ほとんどの方は気付かず過ごされている事と思います。
一度、お口の中を見てみて下さい。中心結節のあった方はいらっしゃるでしょうか?
<出現してくる時期>
10歳前後ぐらいに小臼歯が生え変わりますので、その頃に出現してきます。
右があると左も出現する確率が高いといった具合に、1本あると他の歯にもある事が多いです。
生え変わりの時期は、仕上げ磨きの際にお子様の歯をよく観察してみて下さい。大人の方も残っている方もいらっしゃいます。
ちなみに、私も中心結節が何本かあります。
<出現するとどうなるのか?>
中心結節があるからといって、今すぐ何か治療をしなければいけない、といった事はありませんのでご安心下さい。
多くの方は、大人になるにつれて自然とすり減ってしまう事が多いです。少しずつすり減っていくと、神経もだんだん退縮する為、痛みを感じる事はありません。私も、何本かはすり減って、いつの間にか小さくなりましたが、その間痛む事はありませんでした。
ただ、まれに中心結節の突起の中にまで歯の神経が通っている場合があり、何かの拍子に突然折れてしまうと、神経が出てしまう場合があります。その時には、しみたり、痛みを感じる様になります。
何も症状がなくても、折れると小さく穴が開いた様になるため、そこから細菌が入り、神経が少しずつ腐ってしまい、突然痛みだしたり、歯茎に膿のできものの様なものを作る事があります。
見た目は明らかな虫歯という感じではないのですが、レントゲンを撮ると、根の先に黒い影が映る場合があり、判明します。その様な時は、根の先が膿んでしまっていますので、根の治療が必要になり、治療回数もかかってしまいます。
また、すり減ったり折れる事がなくても、中心結節の部分で硬い物をかむと、突起の中に通った神経を刺激して、急にズキンっと痛む場合があります。
これは私も経験がありますが、びっくりする痛みでした。
時々「食事の際に痛みを感じたから、虫歯じゃないか?」と心配され、来院される方がいらっしゃいますが、虫歯ではなく、中心結節が原因だったという例もあります。
<気をつける事や予防法>
先ほどお話した様に、中心結節があるからといって、必ずしも治療が必要という事はありません。
急に折れたり、尖っているせいで舌や、お口の中を傷つけるなどのトラブルを防ぐ為に、少しずつ歯を削ったり、プラスチックの樹脂で補強したりして、形態を修正することはあります。しかし、中心結節のどこまで神経が伸びているか判断しにくいですし、補強する事で噛み合わせが高くなってもいけません。いずれにしても、治療は慎重に行う必要があります。また、お口の状態によって適切な処置は異なりますので、ご心配な方や、中心結節でのトラブルをご経験の方は、歯科医院にご相談下さい。
あえて中心結節の部分で硬い物をかむ事は避け、定期検診などで様子を見せて頂けると安心です。
歯が痛むと、真っ先に「虫歯かな?」と、頭に思い浮かぶ方が多いと思います。でも実は、歯が痛む原因は、それだけではなく、こういった歯の形からきている事もあるのですね。節分の豆の様な硬い食べ物も、ポリポリ気持ち良く食べたいものですが、中心結節の部分では、できるだけ避けるようにすると安心ですね。
そして歯の形態異常は、中心結節だけでありません。歯の形で不安な事がおありの方は、ぜひ歯科医院でご相談下さいませ。
今年も皆様に、たくさんの福が訪れます様に。