こんにちは。瑞穂市の吉田歯科医院です。
今日は虫歯予防に効果的なフッ素のお話です。歯医者さんでは良く耳にする言葉ですよね。
<フッ素とは?>
フッ素とは土、海水、植物、動物など、地球のあらゆるところに存在している元素です。魚介類や野菜、肉、牛乳、塩、お茶の葉っぱなど、ほとんどの食品に含まれており、毎日摂らなければならない必須の栄養素に位置付けられています。私達の体の中では、13番目に多い元素で、鉄よりも多く含まれます。
★どんな働きがあるの?
1.虫歯を防ぐ
フッ化物を歯の表面に塗布し、その成分がエナメル質に取り込まれることで、エナメル質を強化することができ、虫歯になりにくい強い歯を作ります。また、フッ素そのものにも虫歯菌の働きを抑える作用があり、虫歯になる原因を抑えることができるのです。
2.虫歯になりかけた歯を修復する
虫歯菌が作り出した酸によって歯の表面のエナメル質が溶け始めて虫歯になりかけている状態を「脱灰」といいます。この脱灰という状態にある歯が、カルシウムを取り込んで修復しようとする力を「再石灰化」と呼びます。フッ化物を塗布すると、この再石灰化が促進され、より早く、虫歯になりかけた歯を修復することができます。
★フッ素はいつから使えるの?
フッ素は、歯が生えてきて間もない頃に使うと、より効果的と言われています。乳歯がはえそろって、ちゃんとうがいもできる3歳頃や、永久歯がはえはじめる6歳頃からはえそろう14歳頃の時期に使うと、最も効果的で、安心です。また、「中学生までフッ素うがいを続けたお子様は、大人になっても虫歯が60%も少ない」、という研究が日本でも発表されています。
また、子供だけではなく、大人の方にもフッ素はおすすめです。大人のお口の中って、かぶせ物や詰め物も多いですよね。かぶせ物や詰め物の周りは段差ができやすいので、そこにプラークが溜まって虫歯ができやすいんです。そして近年問題になっているのが、中高年になってくると増えてくる「歯の根元の虫歯」(根面う蝕)です。年齢と共に歯ぐきが痩せて、根元の象牙質がむき出しになると、虫歯ができやすくなってしまうんです。象牙質は、歯の表面をおおっているエナメル質に比べて、一段と虫歯に弱いのです。
それに、中高年になると、様々な原因で唾液が減って虫歯が増えやすい環境になりますから、ぜひフッ素で歯を守ってくださいね。
★自宅ではどのようにフッ素を取り入れれば良い?
■フッ素溶液による洗口
歯磨きの後にフッ素入りの溶液を用いて30秒ブクブクうがいをする方法です。デンタルリンスは大人用のイメージがありますが、最近では子供用のものも販売されています。
ご家族みんなでフッ素洗口ができると良いですね!
■フッ素配合歯磨剤の使用
ほとんどの歯磨き粉にフッ素が配合されています。フッ素の効果を高めたい方は、普通に歯磨きをした後、歯磨きをつけて仕上げ磨きをし、うがいはごく少量の水で1回行います。6歳未満のお子さんは、子供用歯みがきの濃度を確認して用法どおりに使用しましょう。