お子様の歯は、大人の歯と比べて柔らかく、むし歯になりやすいといわれています。
また、生え替わりの時期があり、永久歯がそろうまでの間は歯並びや顎の発達を見守ることも大切です。
当院では、小さなお子様が歯科医院へ通うことを楽しく感じられるよう、やさしい治療と雰囲気づくりを心がけています。
歯の痛みやむし歯の治療だけでなく、予防や歯並びケアも含めて、お子様の歯の健康を総合的に支えてまいります。

お子様の歯の特徴
お子様の歯(乳歯)は、生えたての頃はエナメル質が未成熟で、むし歯に対する抵抗力が弱いです。
また、歯並びやあごの骨が成長途中にあるため、仕上げ磨きの難しさや食習慣の影響が大きく出やすいのも特徴です。
永久歯への生え替わり期には、乳歯のむし歯や歯並びの乱れが永久歯に影響を及ぼす場合があります。
この時期にきちんと予防と治療をしておけば、将来のむし歯リスクや歯並びトラブルを抑えやすくなります。
小児歯科で大切にしていること
1. むし歯を作りにくい環境づくり
お子様がむし歯で歯科嫌いになると、治療に対する恐怖心が大きくなります。
当院では、むし歯にならない・悪化させないための予防を重視しています。
歯を保護するための「シーラント」を活用し、溝や窪みを覆ってむし歯菌の浸入を防ぎます。
また、お子様や保護者の方に向けて、仕上げ磨きのやり方や食習慣のアドバイスを丁寧に行います。
2. 痛みを抑えた治療で歯医者嫌いを防ぐ
「歯科治療=痛い場所」というイメージを持たせないよう、痛みの少ない処置を心がけています。
表面麻酔や細い注射針の使用、患部を少しずつ削るなど、お子様の様子を見ながら進めることで、怖がらずに治療を受けてもらいやすくなります。
歯科医院でのトラウマを作らないためにも、お子様が安心して通える環境づくりを大切にしています。
3. ドックスベストセメントで歯を守る
当院では、小児のむし歯治療でドックスベストセメントを用いることがあります。
これは銅イオンを含む薬剤で、むし歯菌を殺菌する力を持ち、深いむし歯でも神経を残しながら治療ができる可能性を高めます。
小さなお子様の歯は極力削りたくないと考えているため、ドックスベストセメントを活用することで健康な歯質をなるべく残し、痛みや怖さを軽減する取り組みを行っています。
予防と検診の大切に
定期検診でむし歯を早期発見
むし歯は、初期段階では痛みや腫れなどの目立った症状が出ない場合が多いです。
定期的に検診を受けることで、むし歯の小さな変化や歯並びの影響を早めに見つけられます。
定期検診では、デジタルX線システム(低線量)を使用して、必要最小限の被ばくで歯やあごの状態を確認しています。
シーラントでむし歯予防
奥歯や前歯の溝や窪みにシーラントというプラスチック系の材料を埋め、むし歯菌が入り込む隙間を塞ぎます。
生えたばかりの歯は溝が深くむし歯になりやすいため、このシーラント処置でリスクを減らせます。
ただし、定期的にシーラントが剝がれていないかをチェックし、必要に応じて再処置することが重要です。
ブラッシング指導と生活習慣
お子様自身が正しく歯を磨けるように、歯ブラシの当て方や力加減をわかりやすくお伝えしています。
保護者様には、仕上げ磨きのコツや、ダラダラ食べを避ける食習慣の見直しなどを案内し、むし歯を作りにくい生活リズムづくりを一緒に進めていきます。
治療の流れ

ステップ1:受付・問診
お子様がどんなことで不安を感じているか、歯が痛いのか、むし歯を疑っているのかなど、保護者様のお話を詳しく伺います。
初めての来院では、まず歯科医院の雰囲気に慣れてもらうところから始めるため、痛みがなければ治療をしない場合もあります。
ステップ2:検査・診断
必要に応じてデジタルX線や口腔内カメラで、歯や歯茎の状態、むし歯の有無をチェックします。
お子様が緊張しているときは、無理せず、少しずつ器具に慣れてもらいながら進めます。
ステップ3:治療方針の説明
むし歯が見つかった場合、その進行度に合わせてドックスベストセメントやレジン充填などの方法をご案内します。
保護者様にも治療のメリット・リスクをお伝えし、納得いただいてから治療を始めます。
むし歯がない場合は、予防ケアやブラッシング指導を行います。
ステップ4:治療・処置
痛みを和らげるために表面麻酔や極細の注射針を使い、なるべくお子様の負担を軽減します。
ドックスベストセメントを使った治療やレジン充填、シーラント処置など、歯の状況に合わせた方法で迅速かつ丁寧に進めます。
治療時間が長くなるとお子様の集中力が続かない場合もあるので、複数回に分けて治療することもあります。
ステップ5:定期的なメンテナンス
治療が完了しても、むし歯予防のために定期的な検診をおすすめしています。
歯ブラシ指導の再確認やシーラントの状態チェック、仕上げ磨きのポイントなどを継続的に行い、お子様が楽しく通い続けられる環境づくりに力を注いでいます。
小児歯科で大事にしている雰囲気

怖がりのお子様でも安心できる工夫
当院のスタッフは、お子様への声かけや器具の説明、タイミングの見極めに気を配っています。
大きな音が苦手な子には、まず器具を動かして見せるなど、慣れてもらう時間を設けています。
トラウマを作らずに通い続けてもらうため、優しい言葉づかいや飽きさせない工夫を常に意識しています。
待合室や診療室の工夫
お子様が退屈しないよう、キッズスペースを設置したり、お子様向けの動画を用意するなど、院内環境にも気を遣っています。
診療室では、できるだけ怖さを与えないよう、声かけや表情で安心感を伝えながら治療を進めます。
よくある質問
Q:仕上げ磨きは何歳まで必要ですか?
お子様が自分で磨いていても、どうしても磨き残しが出やすいため、しっかりフォローしてあげてください。
Q:小児歯科と一般歯科の違いは何ですか?
虫歯予防や歯並びの管理、歯質の特徴など大人とは異なる観点で診療を進めるため、小児歯科に通うとより安心です。
Q:永久歯が生え始めたけれど、歯並びが気になります
明らかにスペースが足りなかったり、噛み合わせがずれている場合には早めの小児矯正を提案します。
まずは一度ご相談ください。
お子様の歯を守るために
当院は、小児歯科を通じて「歯科医院は怖い場所ではない」というイメージを広めたいと考えています。
早期発見と予防ケアを中心に、痛みや恐怖心を最小限に抑える治療方法を取り入れています。
ドックスベストセメントやシーラント、デジタルX線による低線量撮影など、お子様と保護者様が安心できる仕組みを整えています。
歯の生え替わりやむし歯が気になるときは、どうぞ気軽にご来院ください。
お子様の成長を支える大切な歯を、一緒に守り育てていきましょう。

