こんにちは。瑞穂市のホワイトエッセンス吉田歯科医院です。

当院には妊娠されているお客様も多く来院されますが、｢妊娠してから、お口の具合があまり良くないんです…。｣と、妊娠中のお口の変化に戸惑う方もいらっしゃいます。
妊娠中は、身体や心にさまざまな変化があり、それだけでも不安な気持ちになってしまいますが、さらにお口のトラブルも起こると、心配事が増えてしまいますね。

実際、妊娠中は、さまざまなお口のトラブルが起こりやすいです。ですが、トラブルや対処法を知っておくと、少しでも不安を和らげる事が出来ますよね。

そこで今回は、妊娠中に起こりやすいお口のトラブルについてお話させていただきます。

妊娠中に起こりやすいお口のトラブルは？

① 妊娠性歯肉炎
妊娠すると、｢エストロゲン｣という、女性ホルモンの分泌が増加します。
歯周病菌は、その女性ホルモンを栄養にして、歯ぐきから出血や腫れを起こします。出産後、ホルモンのバランスが落ち着つくと治まっていきますが、そのままお口の中を不衛生な状態にしておくと、歯周病が進行してしまいます。

② 妊娠性歯痛
妊娠初期に起こる事が多いのですが、実際には虫歯がないにも関わらず、強い歯の痛みを感じることがあります。ホルモンバランスの変化により、通常時と比べて血液量が30～50%ほど増加することで、歯の神経の充血や圧迫が起こり、歯の鋭い痛みに繋がります。
通常、妊娠5～6ヶ月を経過すると、少しずつ痛みは和らいでいくと言われています。

③ 妊娠性エプーリス
妊娠中のお口の中の粘膜に部分的に生じる良性のしこりです。妊婦さんの1～5%に見られると言われており、決して頻繁に現れる病気ではありません。
女性ホルモンの増加により、歯ぐきのコラーゲンが増殖したものと考えられていて、主に上の前歯に現れることが多く、出産後に消失することが多いです。

④ 虫歯
悪阻(つわり)によって、歯みがきが思うように出来なくなるなど、口内の清掃不良が続いてしまったり、食べづわりなどで食事の回数が増える事で、お口の中が汚れやすくなり、その結果虫歯になる危険性が増加します。また、妊娠中は唾液が減少するため、自浄作用が低下し、口臭や虫歯を引き起こす原因となります。妊娠中は、お口の中が汚れやすい条件が揃ってしまいがちです。

歯周病がお腹の赤ちゃんに与える影響とは？

妊娠中は、血管透過性(血管の中や外で水分や物質が行き来する事)が高まり、わずかな細菌による刺激でも、歯ぐきが腫れたり、出血したりしてしまいます。妊娠中は、身体と心だけでなく、お口の中もデリケートな状態になってしまうんですね。

そんなお口の変化を放置し、歯周病の原因となる細菌が増えたり、元々歯周病に罹患していると、実は、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼす事があるんです。

歯周病菌は、子宮を収縮させてしまうため、お母さんが中等度～重度の歯周病にかかっていると「低体重児」を出産しやすくなったり、「早産」しやすくなったりする可能性が高くなると言われています。健康なお口の状態と比べると、そのリスクが6倍にもなり、喫煙やアルコールの摂取よりも大きな影響を及ぼすといわれています。そう考えると、怖いですよね…。

そこで、体調がおちついた妊娠中期頃に、歯科医院での検診やクリーニングなどを受けていただき、お口の中を清潔に保つ事が大切です。
とはいえ、｢悪阻(つわり)で、歯みがきが思うように出来ない…。｣｢歯医者さんに行くのもつらい…。｣なんて状態の時は、どうケアして良いか心配になってしまいますよね。
私も、妊娠中は悪阻(つわり)がひどく、歯みがきにはとても苦労しました。

そこで、次に、つわりがひどい時のオーラルケアをご紹介します。

悪阻(つわり)がつらい時のオーラルケアは？

「食後に必ず歯みがきを行わなくてはいけない。」と決めずに、1日のうちで体調が良いと感じる時に、リラックスした状態で行ってください。

歯ブラシは、ヘッドの小さいものを使用し、小刻みに細かい動きにすると良いでしょう。その際、下を見るように前かがみの姿勢で行ったり、歯ブラシを舌に当てないように気をつけると、気持ち悪さを感じにくいですよ。奥歯まで行う事が出来ない場合は、前歯だけでも構いませんので、無理のない範囲で行ってみてください。
また、歯みがき粉はつけず、水だけでも十分汚れは取れます。どうしても歯みがき粉をつけたい時は、香料や味の強いものは避けるようにすると安心です。

それでも、｢歯みがき自体、つらくて難しい。｣といった方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、食後にブクブク含みうがいをしたり、キシリトールガムをかむだけでも、お水や唾液の力で多少、汚れを洗い流すことが出来ますよ！

いかがでしたか？

現在、妊娠中のお母さん方やご家族様、お子さんの誕生が待ち遠しいですね。
お口の健康を保ちながら、そのときを迎えられると良いですね。
妊娠中のお口のトラブルについて、少しでも参考にしていただけると嬉しいです。

当院でも、妊娠中のお客様が多く来院してくださっています。妊娠中に来院されたお客様が、次の検診ではお子さんと一緒に来てくださったり、無事に誕生されたお話をしてくださる事もあり、大変嬉しく思っています。
母子手帳の歯科医院のページの記載も行っておりますので、安心してスタッフにお預けくださいね。
妊娠中は、体調や生活習慣の変化に対応していくのが大変だと思いますので、まずは、お母さんの体調を優先していただき、つわりや体調が安定してくる妊娠中期頃には、一度、歯科医院で検診やクリーニングなどを受けられ、お口の清潔を保ち、出産へのマイナスリスクを少しでも減らしていけると安心ですね。

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